今回は、Sonyの純正レンズFE PZ16-35 F4 Gをレビューします。
以後、作例を交えながら本レンズの特徴やおすすめポイント、そして実際に使ったからこそ感じた弱点などを紹介いたします。
また、Sony純正レンズFE20mm F1.8Gとの作例比較などもしていきたいと思います。
本レンズが気になっている人は、是非最後までご覧ください。
FE PZ 16-35mm F4 G 値段など基本情報
最初に、本レンズの基本情報をお伝えします。
対応マウント | ソニー Eマウント |
本体重量 | 353g |
本体長さ | 88.1mm |
価格 | 14万円〜15万円 |
FE PZ 16-35mm F4 Gの特徴・おすすめポイント
続いて、本レンズの特徴・おすすめポイントを紹介したいと思います。
取り上げたい内容は以下の3点となります。
- 軽量コンパクトであること
- インナーズームであること
- 最広角端が16mmであること
これらは、Sony公式のスペックを見ればわかることではあります。
ただ、実際に使ったからこそ、これらが気持ちよく作用するんだなと感じましたので、 その点を詳しく紹介したいと思います。
軽量コンパクトであること
一つ目の軽量コンパクトである点ですが、本レンズはズームレンズでありながら 重量353g、長さ88.1mmしかありません。
単焦点レンズの20mmF1.8Gが重さ373g、長さ84.7mmですので、それとほぼ同じとなります。
もっと言えば、長さはともかく重さは単焦点レンズの20mmF1.8Gよりも軽いということで、 本レンズに対するSonyの本気度を感じます。
軽量コンパクトと言うことで携帯性が上がったのはもちろんですが、 メリットはそれだけではありません。
では、他にどんなメリットがあるかというと、このように小型のジンバルにも載せられる点です。
もちろん、大きめのジンバルであればモーターも強力なため載せられる総重量も上がります。
ですが、その場合カメラもレンズもジンバルも大きく、総重量3キロを超えることもあります。
対して、本レンズであればレンズ自体が小さいため、モーターもそこまで強力ではない小型ジンバルでも運用可能なわけです。
実際に、こちらはZHIYUNの小型ジンバルCRANE M3で撮影した本レンズとα7Cのサンプルですが、 ブレずにしっかりジンバル効果が得られていること、わかると思います。
レンズ自体が軽量小型だからこそ、ジンバルも小型のもので撮影できる点、 本レンズの魅力と言えるでしょう。
インナーズームであること
続いて本レンズの2つ目の特徴、インナーズームについてお伝えします。
通常であればズームをする場合、物理的にレンズは伸びるものです。
しかし、本レンズはズームができるにも関わらず、レンズが伸びません。
このような作りのズームレンズをインナーズームと言うのですが、ではそれにどのようなメリットがあるのでしょうか?
実際に使って感じたメリットですが、先ほども紹介したジンバル運用についてとなります。
16mmの画角であったとしても、35mmの画角であったとしても、レンズの長さが変わらないので ジンバルのバランス調整が不要です。
正確には、長さが変わらなくとも重心が変わっているはずですので画角が変わるごとにバランス調整をするべき とは思いますが、現実問題その差は僅かですので、調整しなくても問題ありません。
物理的にレンズが伸びる通常のズームレンズなら、こうは行きません。
と言うことで、インナーズームである本レンズは、ジンバル運用に適したレンズと言えるわけです。
パワーズームもGood本レンズは、パワーズームと言われるレバーを使ったズーム操作が可能です。これにより、カメラスライダーに頼らずとも均等なスピードで寄りや引の動画が取れます。人口としては多くないでしょうが、ガジェット系動画を撮りたい人は、とても重宝すると思います!
広角端が16mmであること
そして最後の3つ目の特徴「高角端が16mmであること」を紹介します。
とてもシンプルですが、広角よりが20mmを超えてくるととてもダイナミックに撮れます。
例えば、こちらの作例をご覧ください。
こちら、16mmで撮影した素材となります。
それが20mmになるとこちらとなります。
そして、さらに寄って35mmはこちらになります。
当然、撮影する対象物によって変わってきますが、広い空間を切り取るなら16mmが一番ダイナミックなこと 伝わると思います。
「もう一つ迫力のある画が欲しい!」と思った際、本レンズはそれに応えられるレンズなのです。
そして、16mmの超広角撮影ができることで、自撮り撮影もとても楽に撮れます。
画角が狭いと腕を伸ばさなければ撮影できません。
28mmスタートのレンズであれば、ずっと腕を伸ばしっぱなしになるので非現実的です。
それが本レンズの場合、16mmスタートですので肘が曲がった状態でも楽に自然な画角で撮れます。
自撮りを多用するVlogerさんはもちろん、家族や友人と旅行で自撮りを多用したい人にも 本レンズは向いているレンズと言えるでしょう。
FE PZ 16-35mm F4 Gの弱点
さて、ここまで紹介した通り、本レンズはとても魅力的なレンズと言えます。
ですが、冒頭でもお伝えしましたが万能なレンズと言うわけでもありません。
苦手な部分も当然あります。
と言うことで、本レンズの弱点をお伝えします。
それは何かというと、本レンズはF値がF4通しであることとなります。
ご存知の方も多いと思いますが、F値は低ければ低いほど暗所に強く、ボケみのある画作りができます。
ですが、このように夜の撮影であったとしても、全く問題なく使えるレベルだと思います。
と言うことで、個人的な感想としては暗所撮影は本レンズでも全く問題ないと思いました。
対して、ボケ味のある雰囲気重視の作例を撮ろうと思った場合は、流石に物足りないなと感じました。
と言うのは、こちら20mmF1.8Gで撮影した素材となりますが、
対して同じアングルで16-35F4Gを使った撮影をすると、このようになりました。
比べると一目瞭然、20mmF1.8Gの方がボケ味のある=雰囲気のある写真になっていると思います。
F4通しなので、ボケ味で言うと比べるのが酷と言うものです。
ただ、広角16mmから撮影できるダイナミックさを期待して本レンズを購入した場合、 それには応えられてもボケ味の部分では応えられない可能性は高いと思うのです。
超広角でF値も高いレンズが欲しいなら、それ専用のFE 14mm F1.8 GMと言うレンズがSony純正で出ています。
ズームはできませんが、超広角&ボケ味を両立した素晴らしいレンズでもあります。
そちらのレンズは過去にレビュー動画を出していますので、ご興味があれば是非ご覧ください。
FE PZ 16-35mm F4 Gの総括
ここまでの内容から、本レンズを総括いたします。
冒頭、結論としてお伝えした通り本レンズは動画撮影にはぴったりなレンズと言えます。
その理由として、
- 携帯性やジンバル運用を可能とする「小型軽量」
- インナーズーム・パワーズームの利便性
- 16mmスタートの超広角のメリット
を、お伝えしました。
方やデメリットとしてF値がF4ということで、物足りない点も紹介しました。
具体的には、数値上ボケ味が弱くなってしまうため、印象的な画作りは苦手かな…といった印象です。
ただ反面、F4であったとしても夜間でも綺麗に撮れていたと思います。
本レンズのデメリットであるF4はボケ味の弱みであり、比較的光量のある夜間撮影であれば 然程弱みにならないと思いました。
ということで、特徴・メリットのみならず弱みも加味して本レンズは「動画撮影にピッタリなレンズ」と感じたわけです。
価格も15万円前後と、フルサイズ対応のSony純正レンズとしては比較的リーズナブルなレンズとなります。
写真メインではない人は、本レンズの購入を本格的検討してみては如何でしょうか?
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